少年事件の勾留理由開示請求

平成27年8月1日

 

刑事弁護で勾留理由開示請求は、あまり活用されていません。

少年事件ではなおさらです。

わたしは、少年事件でも勾留理由開示請求をしています。

勾留理由開示請求書はこちら)。

 

弁護側にとっては、開示請求をする「理由」は不要です(憲法34条後段)。

 

求釈明では、「やむを得ない場合」(少年法43条3項、48条1項)にあたるのか、釈明を求めます。

 

弁護人意見でも「やむを得ない場合」にはあたらないと主張します。

 

(意見書抜粋)

1 勾留すべき「やむを得ない場合」には当たらない
少年法43条3項では,「検察官は、少年の被疑事件においては、やむを得ない場合でなければ、裁判官に対して、勾留を請求することはできない。」,同48条1項では,「勾留状は、やむを得ない場合でなければ、少年に対して、これを発することはできない。」と規定しています。
例外的な「やむを得ない場合」でなければ,逮捕後,少年の身柄をひきつづき拘束するとしても勾留に代る措置として観護措置をとるのが原則です(43条1項,17条1項)。勾留に代る観護措置は,10日間で,延長することはできません(44条3項)。これに対し,勾留は,延長が認められます(刑訴法208条2項,208条の2)。しかし,「少年の健全な育成」という少年法の理念(1条)から考えれば,たんに10日間を超えて取調べをする必要があるというだけでは勾留すべき「やむを得ない場合」にあたるとはいえません。少年法の理念に照らせば,共犯者や関係人が複数いるために取調べに時間がかかること,裏付け捜査に時間がかかることなど,たんに時間がかかるというだけでは「やむを得ない場合」にあたるとはいえないと解されます。
本件では,勾留されたにとどまらず,10日を超えて勾留延長されています。勾留延長の理由は,「証拠等検討未了,関係人取調べ未了,共犯者取調べ未了,裏付捜査未了,被疑者取調べ未了」となっています。これらの取調べ等のために時間がかかることは,共犯者や関係人が複数にのぼる本件では,当初から予想されたことです。したがって,時間がかかることを見越して,勾留延長をすべく,「勾留に代る措置」(少年法43条1項)ではなく,「勾留」請求がされたと思われます。しかし,時間がかかるというだけでは「やむを得ない場合」にあたりません。

 

また、弁護人の求釈明に対して、裁判官から「やむを得ない場合」にあたるとする根拠として「本件の罪質、本件事案の性質」を釈明していました。しかし、「本件の罪質、本件事案の性質」もようするに取調べに時間がかかるということを言い換えただけにすぎません。

したがって,本件では,勾留すべき場合であったとは認められません。